【虹彩Vol.36 Web版ページ】ドクターのお話
新型コロナウイルス 正しい知識で予防しましょう

教えて!ドクター
新型コロナウイルス
正しい知識で予防しましょう
昨年末から世界中を震撼させている新型コロナウイルス。
だれもが感染の危険性があり、日本でも感染症流行の第二波到来が懸念されています。
それでは、私たちは何に気を付ければよいのでしょうか。内科医 森本浩之輔先生にお話を伺いました。
森本 浩之輔(感染症・呼吸器内科)

Morimoto Konosuke

ウイルスの
感染症について
 新型コロナウイルスの感染症は、国内では制御が成功している状態ですが、アフリカや南米などではまだまだ拡大しています。50歳未満の若い人では、感染しても無症状の人が多いといわれています。高齢者や持病のある人では熱や咳、倦怠感などの症状が出て、一部の人は酸素投与や人工呼吸が必要になることがあります。
ウイルスの感染
しやすさについて
 このウイルスの特徴は、無症状の人からも感染するということです。感染者の咳やくしゃみだけでなく、大きな声を出したり、息が荒くなったりすることで人に感染する恐れがあります。
 したがって、自分が知らずに感染していたときに、無症状でも人にうつさないように配慮することが重要です。緊急事態宣言が解除され、各種制限が緩和されている現在、さらに意識をしなければならないと言えます。
感染が急激に広がるわけ
 最近、ニュースなどで「3密」という言葉を耳にする機会が多いと思います。3密とは、『たくさんの人が換気のよくない部屋に集まった状態』で、そのような環境で大きな声で会話することなどにより、大規模な感染がおこりやすくなります。
 病院や介護施設も感染が広がりやすい環境といえますので、当院におきましても、院内感染防止のため必要な対策に取り組んでいます。
感染を予防するには
 感染予防には、3密の環境で食事や会話、それに運動したりしないことが重要です。また、こまめな手指消毒や手洗いを忘れてはいけません。長崎県では、市中でだれから感染したかわからない感染者は2か月以上発生していません(2020年6月15日現在)。
したがって、県内への外出や県内の人と会うだけなら、感染の可能性はほぼありません。
 しかし第二波が気づかないうちに始まる可能性もあるので、新しい生活様式を守ることが大事です。
これからの
季節の感染予防
 夏にむけて懸念されていることがあります。まず、マスクをつけることで熱が逃げにくくなり、体調を崩して熱中症になりやすくなることです。屋外で人が密集していなければ、マスクを外したほうがよいでしょう。特に、屋外での作業や運動のときには注意が必要です。室内でエアコンをつけて換気をしないことも、3密の環境を生むことにつながります。エアコンの温度を低めに調節して、窓を少し開けて換気するなどの工夫が必要です。
おわりに
 新型コロナウイルスに対する有効なワクチンが広くいきわたるには、かなり時間がかかると考えられています。しかし、これまでの研究によって、上記のようなウイルス感染の特徴がわかってきました。これを正しく理解して対策することで、ウイルスを恐れ過ぎることなく、しっかり予防していきましょう。
ドクター紹介

内科(感染症・呼吸器内科)

森本 浩之輔
Morimoto Konosuke
今後のウイルスまん延を予防するうえで、手洗いやマスク着用、換気等の基本的な感染症対策の他、一人ひとりの行動変容が求められています。長期にわたりこのような状況が続くことも予想されるため、正しい知識を得て、リスク管理をしていくことが重要です。
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