- いざ病気や怪我をした時、どう対応したらいいのか、どのような事を知っておかなくてはいけないのか、分からない事はたくさんあるかと思います。そんな方々の聞いておきたい疑問にお答えしましょう!
今回の質問
もの忘れと認知症って、どう違うの?超高齢化社会の日本。 高齢者の人口の増加に伴って、「認知症」高齢者も増加していると聞きます。
でもよく耳にする「もの忘れ」とどう違うのでしょうか?
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Q
もの忘れと認知症の違いは? -
「もの忘れ」とは
脳の老化によるもので、ちょっとしたヒントがあれば思い出すことが出来て、日常生活には支障がない状態のことを指します。
「認知症」とは
いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、日常生活に支障を来たしている状態のことを指します。
「老化によるもの忘れ」と「認知症」との違い
老化によるもの忘れ | 認知症 | |
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原 因 | 脳の生理的な変化 | 脳の神経細胞の変性や脱落 |
もの忘れ | 体験したことの一部を忘れる (ヒントがあれば思い出す) |
体験したことをまるごと忘れる (ヒントがあっても思い出せない) |
症状の進行 | あまり進行しない | だんだん進行する |
判断力 | 低下しない | 低下する |
自覚 | 忘れっぽいことを自覚している | 忘れたことの自覚がない |
日常生活 | 支障はない | 支障をきたす |
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Q
認知症には種類があるの? -
代表的なもので
「三大認知症」
と言われるものがあります。
アルツハイマー型認知症 | レビー小体型認知症 | 血管性認知症 | |
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脳の変化 | 老人斑や神経原線維変化が、海馬を中心に脳の範囲に出現する。脳の神経細胞が死滅していく。 | レビー小体という特殊なものができることで、神経細胞が死滅してしまう。 | 脳梗塞、脳出血などが原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死してしまう。 |
画像でわかる脳の変化 | 海馬を中心に脳の萎縮が見られる | はっきりとした脳の萎縮はみられないことが多い | 脳が壊死したところが確認できる |
男女比 | 女性に多い | 男性がやや多い | 男性に多い |
初期の症状 | もの忘れ | 幻覚、妄想、うつ状態、パーキンソン症状 | もの忘れ |
特徴的な症状 | 認知機能障害 (もの忘れ等) もの盗られ妄想 徘徊 とりつくろい など |
認知機能障害 (注意力・視覚等) 認知の変動 幻覚・妄想 うつ状態 パーキンソン症状 睡眠時の異常言動 自律神経症状 など |
認知機能障害 (まだら認知症) 手足のしびれ・麻痺 感情のコントロールがうまく いかない など |
経 過 | 記憶障害からはじまり広範な障害へ徐々に進行する | 調子の良い時と悪い時をくりかえしながら進行することもある | 原因となる疾患によって異なるが、比較的急に発症し、段階的に進行していくことが多い |